小児矯正
小児矯正は、子どもの成長期に行われる歯列矯正のことです。歯列矯正は大人になってからでも可能ですが、子どもの時期から始めることでより効果的な治療ができる場合があります。大人の場合、顎の成長が完了しているため、歯を単に動かすだけの矯正になります。しかし、子どもの矯正では、顎の成長をコントロールすることで適切な歯並びを整えることができます。また、子どもの時期は乳歯から永久歯への生え変わりの時期でもあるため、それを考慮して矯正治療を行うことが重要です。
小児矯正をおこなうメリット
小児矯正のメリットには以下のようなものがあります
歯磨き不足によるむし歯の予防
不正歯列では歯ブラシが届きにくく、むし歯のリスクが高まります。小児矯正では早い時期から歯磨きの指導が行われ、予防に役立ちます。
永久歯の抜歯回避
顎の成長期に治療を行うことで、永久歯の抜歯を回避できるケースが多くあります。顎の成長を活かし、適切な位置に歯を調整することで健康な噛み合わせを実現できます。
顎の成長をコントロール
小児矯正では、顎の骨や歯列を調整し、永久歯の正しい成長を促進します。同時に、上下の歯のバランスを整え、噛み合わせの調整も行います。
発音・滑舌・呼吸法の改善
歯並びや顎の形状が発音や滑舌、呼吸に影響を与えることがあります。小児矯正によってこれらの問題を改善することができます。
自信の向上
小児期に歯の問題を解決することは自信の向上に繋がります。治療期間が短く、早い段階で美しい歯を持つことで、コンプレックスを早めに解消できます。
当院で行う小児矯正
「インビザラインファースト」
インビザラインファーストとは
インビザラインは透明なマウスピース型の歯列矯正装置で、アライン・テクノロジー社によって開発されました。通常は大人の歯列矯正に使用されますが、技術の進歩により、子どもの混合歯列期（子どもの歯と永久歯が混在している時期）にも適応できるようになりました。具体的には、インビザラインファーストが混合歯列期の子どもの矯正に使用されます。2019年3月からは6歳から使用できるようになり、多くの小児矯正で利用されています。
このようなお子さまにおすすめです
- 歯列矯正装置が目立つことを避けたい
- 指しゃぶりや舌癖がある
- 痛みに敏感
- 歯磨きが苦手
- スポーツや楽器演奏の習い事や部活がある
- 歯科医師から2期治療の基礎として勧められた
インビザラインファースト特徴
顎の拡大と歯並びの改善を同時に行える
インビザラインファーストはマウスピース型の矯正装置であり、顎を拡大しながら歯並びを整えることができます。これにより、従来の小児矯正では難しかった歯並びの改善が可能になりました。
痛みが少ない
インビザラインファーストでは、力の加わり方が均等であり、痛みを感じにくい治療方法です。お子さまの負担を軽減し、快適な治療を行うことができます。
治療後のシミュレーションが可能
インビザラインファーストでは口腔内のスキャンで治療計画を作成し、3Dシミュレーションで治療後の結果を確認できます。これにより、不安を解消して治療に臨めます。
装置を自身で取り外しできる
マウスピースはお子さまの歯列に合わせてオーダーメイドで作成されます。各段階での歯の移動を効果的にサポートするため、個別に設計されたマウスピースが提供されます。
インビザラインファースト適応条件
インビザラインファーストは、以下の条件を満たす「混合歯列期」のお子さまに対して適応されます。
- 第一大臼歯が萌出していること。
- 切歯のうち少なくとも2本が2/3以上萌出していること。
- 少なくとも3/4の顎に乳歯（C、D、E）または未萌出の永久歯（3、4、5）が2本以上存在すること。
これらの条件をすべて満たさなければ、インビザラインファーストは適応されません。ただし、歯が生えてくる順番はある程度決まっており、適切な時期を迎えることでこれらの条件は自然に満たされます。
「iTero（アイテロ）」導入で負担の少ない歯型取りが可能
当院では、インビザラインファーストのマウスピース作製にはiTeroというデジタル技術を使用し、従来の型取り方法よりも負担が少なく、お子さまにとっても快適な歯型取りを実現しています。iTeroは口内をカメラでスキャンして歯型を作成し、待ち時間も短縮できます。この革新的な方法により、お子さまの負担を軽減し、正確なマウスピースを作製することができます。